スタート前の伊東さん(290番、右から2人目)
左から2人目は応援にかけつけてくださった上司のカレ国連特別代表
2006年の4月から6月にかけての危機、国家警察(PNTL)と国軍(F-FDTL)の衝突により、PNTLは特にディリにおいては組織崩壊に近い状態にまで陥り、同年8月にはUNMITが設立され、国連が法の執行まで暫定的に行ってきました。2006年のどん底の状態からティモール人自身が国づくりに精力的に取り組み、その努力を国際社会、国連がきっちり支援していったことにより、三年経った現在では、警察権限が国連警察より徐々にPNTLに移譲されるところまで治安・政情が安定化してきています。
この平和になった東ティモールをお世話になった国際社会の人たちに見てもらいたいというラモス・ホルタ大統領の願いを、国連では全面的に支援しようということになり、僕も国連チームの一員としてレースに出ることになりました。
2006年の危機以降、ティモールの政治・治安情勢が少しづつ改善していくのを目の当たりにしていただけに、「ティモールの平和を世界にアピールする」レースに参加できたことは、とても感慨深いものがありました。
一週間に渡りティモール中を自転車で走ったわけですが、若者で溢れる通りや子供たちの明るい笑顔に接し、平和が定着しつつあるのを肌で実感することができました。また、毎日ティモール料理(米、あらゆる部位の肉の煮込み、野菜炒め)を食べ、毎晩ティモール・シャワー(野外でバケツ)を浴び、毎朝ティモール・トイレ(地面に穴)ですっきり用を足す等、とても貴重な体験もできました。
さらに、カーブを曲がり損ねて崖から転げ落ちそうになったり、砂利道の下り坂でタイヤをスリップさせたり、急な上り坂で自転車のチェーンをロックさせたりと、ほぼ毎日転びまくって、全身でティモールのいろいろな道の感触を楽しみました。
三年近くティモールで生活していますが、正直、これほどまでティモールの魅力を満喫できた一週間はありませんでした。来年のレースには、是非、在留邦人の皆さんに参加をお勧めしたいと思います。
伊東(UNMIT)
(c) Embassy of Japan in Timor-Leste Avenida de Portugal, Pantai Kelapa, Dili, Timor-Leste (P.O. Box 175) Tel: +670-3323131 Fax: +670-3323130