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東ティモール医療に関する現地テトゥン語新聞報道抄訳

 

 

「1000人が結核陽性と診断」

(Pasiente moras TBC nain 1000 hetan pozitivo. Timor Post, 2010-05-10)

 

 バウカウ:当国の結核データによると、結核患者は年々増加し続けており、1年間に1000人が陽性と診断されていることになる。
 国の結核プログラム担当者と13県の結核診療・検査担当の代表がワークショップを開催し、結核の現状と対策を話しあった。それぞれの県の実情などが報告された。
 結核は東ティモール国内で最も懸念される感染症であり、2009年までに6000人が治療を受けている。また1年間におよそ1000人が新しく結核陽性と診断されているという現状がデータによって示された。さらに、結核で死亡する患者は罹患したうちの5%程度にのぼると推定されている。
 国家結核プログラム担当官のConstantino Lopes氏はワークショップの席上、当紙記者に対してこのように述べた。同氏によると、結核患者は15歳~44歳の男性に多くみられるという統計データがあるとのことである。こ の年齢の男性は移動距離が大きく、市場や学校など集団で仕事をすることが多いため感染を拡大させる可能性があると考えられる。結核はくしゃみや咳で伝染するものであり(注:結核菌は飛沫感染ではなく「空気感染」とされている)、狭いミクロレットの中などでも感染する。男性は、多少症状があっても仕事を優先し、結核が進行してから治療を開始する傾向があることから感染が拡大しているのだろう。結核患者は、ディリ県とエルメラ県に多い。これは人口が多いことと、結核診断のための検査センターがあることによると考えられる。
 同氏はまた、増え続ける結核患者への対応として、すべての県の保健センターに顕微鏡などの検査機器を整備していると述べた。住民にも結核という病気に関心を持ってもらえるように活動をしているとのことである。
このワークショップにはおよそ30人が参加し、増え続ける結核患者への対応や予防策について熱心な議論が行われた。

 

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