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東ティモール医療に関する現地テトゥン語新聞報道抄訳

 

 

「バイロピテクリニックの地権者がDaniel Murphy医師を脅迫」

(Rai nain klinika Bairo-Pite ameasa Dr. Daniel Murphy. Jornal do Diario Noacional, 2009/12/14)

 

 20年間オーストラリアに在住していたバイロピテクリニックの地権者が、最近ディリにもどり、バイロピテクリニックを閉鎖するようにDaniel Murphy医師に迫った。もし閉鎖しない場合は裁判所に訴えるということである。

 「この土地はインドネシアの所有であり、インドネシア時代にクリニックが建設されたことは知っているが、ポルトガル統治の時代は知らない。地権者だという人物が1ヶ月の間に閉鎖しなければ裁判所に訴えると言ってきたので、私は大統領のところにそのことを伝えに行った。Daniel Murphy医師は同クリニックにおいて本紙記者に語った。

 このため、ラモス・ホルタ大統領は意見を聞くためにすぐに同クリニックを訪れた。視察後記者に対し、これだけティモール国民のために貢献している施設を政治的な力によって閉鎖することは誰にもできない、と大統領は語った。

 「バイロピテクリニックは、当国に対して非常に大きな貢献をしている。たとえ地権者であってもこのクリニックを閉鎖することはならないし、この土地が自分のものだと主張することもできない。」とホルタ大統領は述べた。

 この件について、Daniel医師は、地権者が強権的に対応してこなければこちらも力ずくで抵抗しようとは考えていないという。

 「人々はこのクリニックを信頼し、たくさんの人々がこのクリニックを受診している。法律的なことは私はわからないが、力ずくで反対するつもりはない。政府がどんな対応をするかわからないが私自身は東ティモールのために仕事を続けるつもりである。私は1998年からここで診療をしているがこれからもそれを続けたい。そのためにはこのクリニックが必要である。」とDaniel医師は言う。

 ホルタ大統領は、このクリニックを支援することを約束し、自身もまたオーストラリアで治療を受ける人のためには大統領予算を使用すると述べた。

 「以前私が首相を務めていたときに、クウェートから救急車を購入した。私はそのうち1台をすぐにバイロピテクリニックに供与した。2010年予算も一部はバイロピテクリニックで使用するつもりで計上している。」とホルタ大統領は述べた。

 病棟では、同クリニックで働く看護師たちが、自分たちの給料についても注意をむけるように大統領に要請した。当紙記者が取材したところによれば、同クリニックには非常にたくさんの外来患者が診療を待っており、また病棟にも多くの患者が入院していた。

 

 

 

 

 

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