「バイロピテクリニックは閉鎖される恐れ:Murphy医師はホルタ大統領に支援を求める」
(Klinika Bairo-Pite “ameasa” taka: Murphy husu apoiu PR Horta. Suara Timor Lorosae, 2009/12/14)
ディリ:東ティモール共和国大統領ラモス・ホルタは、12月11日金曜日、地主から閉鎖するように「脅迫」されているバイロピテクリニックの状態について、実際の状況を直接聴取し確認するために同クリニックを訪問した。
「今回の訪問の理由は、クリニック院長のDaniel Murphy医師から、当クリニックの土地の所有権を主張している人からクリニックを閉鎖するように脅迫されているという申し立てがあったためであり、対策を講じるためである。」と大統領は語った。
大統領はまた、同クリニックのDaniel医師が、当国の独立以来長期にわたって東ティモール住民の健康管理や治療に献身的に取り組んできたことについても言及した。
この10年間、このクリニックは非常にこの国の医療に貢献した。土地の所有者であってもこのクリニックを閉鎖するように強制することはできないだろうと大統領は言う。
「この土地は自分のものだと言ってもこのクリニックを追い出すことはできない」とホルタ大統領は語った。
大統領はこの土地の所有者に対し、それを証明する文書を示すように伝えた。その後対策を早急に講ずる予定である。場合によっては土地を政府が買い上げるか、クリニックを新しく建て直すかするための予算を計上することも予定されている。
「たくさんの患者が受診し、また結核の患者は入院している。このクリニックがなくなったらすべての患者は中央の病院を受診することになる。病院一つだけではこれだけ多くの患者に対応することは不可能である。」と大統領はコメントした。
バイロピテクリニックは民間クリニックであるが、非営利組織であり、商業的な利益を上げるために活動しているわけではない。もっぱら人道的な立場からの活動でありそれを必要としている人もたくさんいる。
「数年前、私が首相だった頃に、政府はクウェートから救急車を購入したが、私はそれをすぐにバイロピテクリニックで使用するように提供した。また、オーストラリアに患者を搬送しなければならないような場合には、大統領の旅費用予算を使用することにしている。」とホルタ大統領は付け加えた。また2010年の予算でも、バイロピテクリニックを支援する予定であることも述べた。
一方、土地の所有権を主張する人は、すでにその権利に関する書類を裁判所に提出しており、今後1ヶ月以内に立ち退くように申し立てをしている、とクリニック院長のDaniel Murphy医師は述べた。同氏によると、ポルトガル時代から地権者が存在したが、その後インドネシア統治の時代に所有権が曖昧になり、インドネシア所有のクリニックとして開設されたことが混乱を引き起こしているという。
「私たちはポルトガル統治の時代のことは知らないが、その時代の地権者が1ヶ月前に急に訪れてここを退去するように伝えられた。そのため私たちは大統領にそのことを申し出た。」と同氏は言う。
この土地を使ってクリニックを運営していくためには政府と関係省庁の協力が必要である。今後もクリニックによってこの国の住民のために貢献するためである。
「大切なことはこれからも東ティモールのために貢献したいと思っているということだ。私は1998年からこの国にいるが、今後も住民の健康のために働きたい。そのためにはクリニックが必要である。私個人はNGOに所属しているわけではないので、クリニックがなければ医療活動ができない。そうなるとティモール人のためにやってきたことをやめなければならなくなる。」と同氏は語った。
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