領事関係情報

医務官からのお知らせ

東ティモール医療に関する現地テトゥン語新聞報道抄訳

 

 

「障害者は保護を『乞う』」

(Defisiente “harohan” protesaun. Suara Timor Lorosae, 2009/12/04)

 

 ディリ:障害者も地域住民の一員である。しかし、彼らはつねに差別にさらされている。彼らの権利は健常者と同じように扱われるべきものである。そのため、世界障害者デーの式典において、彼らは彼らの権利を守るための法律の制定を求めた。

 東ティモールが独立して7年、障害を持つ多くの人々は自分たちが住んでいる社会において圧力と差別にさらされてきた。国はこのことについて新しく法を整備する必要性を認識している。

 「東ティモールに在住する障害者のための法律あるいは政治的な組織を作ることは、すでに存在する障害者の権利に関する条約を批准すること、あるいは国連が策定している権利条約に調印することにつながるものである。」と障害者のひとりNelson da Costa氏は12月3日語った。

 世界障害者デーを主催したJoaquim Freitas氏によると、障害者は健常者と同等の権利を有しているという。したがって、基本的な人権が尊重されなければならないし、平等に扱われ尊厳が守られなければならないし、それを求めることができる。

 地方においては、多くの障害者たちは家の中に放置され、地域の住民や家族からも冷たく扱われることで悲しい思いをしている。

 「このことについて早急に何らかの手段を講じなければならない。」とJoaquim氏は語る。

 彼はまた、国と政府に対して東ティモール国内の障害者を保護するための法律の整備をすすめ、国連による権利条約の批准を求めている。

 これについて、社会統一大臣のMaria Domingas Alves Mikato氏は、条約の批准はまだ必要ではないという。しかし政府が障害者の安全を確保することは重要なことであり、障害者が受けている差別や否定的な感情を認めるわけにはいかない、とのことである。

 「彼らもまた、地域社会で行われている活動に同等に参加することができる。」とMikato氏は語る。

 同氏によると、現在障害者のおかれている境遇を現実的に改善してから条約を批准するということにしないと、条約が批准されたとしてもそれはただの紙切れになってしまうだろうとのことである。したがって、政府はまず障害者権利保護の政治的な動きをすすめるだろう。

 このことに関連して、Domingas Alves大臣は、今年のクリスマスの記念式典は、首相府で障害者と一緒に祝いたいという首相からのメッセージを伝えた。

 Jose Luis Guterres副首相は世界障害者デーのこの日、式典会場で次のように発表した。本日この国の首相は予算編成に集中して仕事をしているためにこの式典には参加できないが、きたる今年のクリスマスの記念式典には障害者のみなさんと一緒にこの場所にいるだろう。

 障害者の一人Mariano da Costa氏は、政府が私たち障害者をこの国の一員として取り扱ってくれ、ともにクリスマスを祝おうと言ってくれたことにとてもうれしく思うと語る。今年のクリスマスの式典には、13の全ての県から障害を持つ人が招待される予定である。

 

 

 

 

 

(c) Embassy of Japan in Timor-Leste  Avenida de Portugal, Pantai Kelapa, Dili, Timor-Leste (P.O. Box 175) Tel: +670-3323131 Fax: +670-3323130