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東ティモール医療に関する現地テトゥン語新聞報道抄訳

 

 

「マリアナ二次病院では歯科衛生材料が不足」

(HRM falta equipamentu saude oral. Jornal do Diario Nacional, 2009/11/11)

 

 歯科衛生は、老若男女を問わず生命維持のために重要な領域であるが、マリアナの二次病院では歯科衛生に関係する機材が不足している。

 「歯は健康を保つための鍵になるものである。歯は食物をかみ砕いて腸管から栄養分やビタミンを吸収しやすくしている。栄養分が吸収されることで体は丈夫になり健康を維持することができる。また歯は言語にとっても重要である。もし歯がなければ上手に発音することができなくなって言いたいことを相手にわかってもらえない。」11月10日ボボナロ県のイラトラウン村での保健活動での診察を終了したあと、医師のMaria Amelia氏はそのように話した。

 Maria Amelia医師によると、今回の保健活動では最終的に426人の患者の診察や治療を行った。上気道感染や下痢症、皮膚炎、胃炎についで歯科衛生上の問題を抱える患者が多く、その数は4~6%にのぼった。これらの患者はう歯がほとんどだが、60歳を超える患者の中には口腔内のガンの患者もみられた。これらの中でガン患者を含む10人がマリアナ二次病院に紹介・転送されることになったが、マリアナ病院には十分な機材がないためにディリのHNGVに送られる予定である。

 「マリアナではティモール人の歯科医師と看護師は二人しかいない。彼らは機材不足のために患者をディリに送らなければならないことを遺憾に思っている。マリアナ病院では、歯科治療用の椅子や歯科用X線撮影装置もない。そのためオーストラリアのNGOから供与されたポータブルの機材を用いて毎日診察をしている状態であり、これは1999年から変わっていない。」と同氏は述べた。

 マリアナ病院では、前ガン状態と診断された20歳~40歳の患者は15人おり、たばこが大きな原因になっている。また5人はガンと診断され、治療を行うためにディリの国立病院に移される予定であるが、親類がディリにいないためにそれができない。さらに隔離病室に入院した4人はう歯から進行した口腔内の膿瘍で昨年死亡している。ボボナロ県保健局の口腔衛生担当部長Daniel da Costa氏によると、全国に5つある二次病院では統合保健プログラムSISCA用の機材整備が政府保健省によって行われ、すでに現在ほとんどの病院ではそれが終了している。しかしマリアナ病院だけはまだ基本的な機材すなわち歯科治療用椅子やX線装置などが配備されていない。バウカウ病院には既に配備されている。政府保健省を率いるNelson Martins大臣やMadalena Hanjan副大臣は、これらの事実にしっかりと注意を向ける必要があり、将来この国を担っていく住民の健康に配慮するべきである。それはマリアナ病院に限ったことではなく、全国に政府予算を配分することが求められる。

 Daniel氏はまた、統合保健プログラムを用いた住民調査で、地域の家庭の状況を観察した結果を報告した。それによると、6%の家庭は健康的、50%の家庭は必要十分と判断されたが、44%の家庭は不健康であり、家屋は伝統的な家屋で窓はなく、通気口もなく、台所やゴミ捨て場、トイレもないという結果であった。また住民の衛生意識も低く、住民たちは食事の前や排便の後に手を洗うことをしない。また爪を切らず体を洗うこともしないなどである。このような状況から、上気道炎や結核、皮膚炎などの病気が住民に拡がってしまうのである。

 

 

 

 

 

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