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東ティモール医療に関する現地テトゥン語新聞報道抄訳

 

 

「国内の疾患予防のため保健省は肝炎ワクチン予防接種を開始」

(Atu prevene moras iha rai laran MS lansa imunizasaun vasina hepatitis. Jornal do Diario Nacional, 2009/10/21)

 

 国内で発生する疾患を予防するために、保健省保健副大臣のMadalena Hanjan氏は10月20日、B型肝炎ワクチンの予防接種を開始すると発表した。Madalena氏によると、一人一人の健康は一つ一つの疾患たとえばHIV・AIDSのような感染症を治療・予防することと一括してとらえるものであり、今回わが国でも非常に強く懸念されるB型肝炎について注目し、B型肝炎ワクチンの予防接種を開始することにした。B型肝炎は有効な免疫を獲得するためにワクチンを一人あたり3回接種する必要がある。今回保健省はWHOと共同でこの事業を行うことにしており、3000人を対象に予防接種を行う予定である。特別なカルテをつくり予防接種についての記録をとることで、B型肝炎の予防接種をうけたか否か、あるいは肝炎ウイルスに感染しているのかを区別するシステムも構築する。B型肝炎は血液によって感染する疾患であるが、多くは分娩のときにB型肝炎ウイルスをもつ母親から子どもに伝染する。

 保健副大臣Madalena Hanjan氏はまた、雨期において疾患を予防するために重要なことをあげている。その一つはそれぞれが自分の住宅を掃除し、ゴミが水に流れ込んで蚊が増えてしまわないようにすることである。特に雨期になるとハリラランやタイベシ、コモロなどのマーケットがある地区でゴミがあふれだして汚染がひどくなる。子どもは呼吸器感染症にかかりやすいしティモールではもっとも多い疾患なのでこれらの地区にはなるべく近づかないことが大切である。また、ゴミは決められた場所に捨てること。ゴミは政府の衛生部門が集めて処理している。勝手な場所にゴミを捨てることは下痢症の原因にもなる。子どもは汚れた場所で遊ぶために特に下痢症にもかかりやすい。また、母親は、食事のしたくをするときや子どもに食べ物を与えるときにはきちんと手をあらうことも重要である。子どもの栄養障害を改善するためには、1日に1回の食事ではなく1日5回食事を与えることである(原文のまま)。栄養状態を改善することはまた良好な免疫機能を獲得することにもつながる。保健省では蚊対策チームが今後近日中にドブや水たまりの消毒を行ったり、蚊帳を配布したりする予定である。

 

 

 

 

 

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