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東ティモール医療に関する現地テトゥン語新聞報道抄訳

 

 

「東ティモールの結核患者は増加:Murphy医師、約30人が手術のためにオーストラリアに搬送されたと語る」

(Moras TBC iha TL aumenta as. Dr.Murphi: Koaze ema nain 30 haruka ba operasi iha hospital Australia. Timor Post, 2009/10/16)

 

 ディリ:バイロピテクリニックのデータによると、東ティモール国内における結核患者は増加している。結核患者が増加する一方で、手術のために同クリニックが紹介しオーストラリアに搬送された患者数はおよそ30人にのぼる。

 バイロピテクリニック院長のDaniel Murphy医師が診察室で当紙記者に語ったことによると、これまでも毎年8人から10人程度の患者を手術のためにオーストラリアに搬送していた。搬送された患者の治療はうまくいっているが、当地では多くの困難を抱えている。

 東ティモールでは専門的な医療に従事する人材が不足している。特に多くの人の命をうばってしまう大きな問題になる疾患は、妊婦の心臓病である。妊婦の心臓病は出産にあたり母親も子どもも命を落とす原因になる。

 「心臓病のある患者は手術を受けなければならないが、東ティモールでは心臓手術はできない。そのため患者はオーストラリアへ搬送しなければならない。私はオーストラリアへ行くたびに多くの医師に対してティモール人の心臓手術について協力を依頼している。」と同医師は語る。

 このように、東ティモール国民の心臓病の治療においては外国人医師に手術を依頼する必要がある。しかし心臓病をもつティモール人は非常に多いために、全員に手術を行うことは困難でもある。

 一方、同クリニックにおいて結核の治療に用いられる薬剤は、常に政府およびWHOからの全面的な支援をうけている。

 (訳者注:バイロピテクリニックは、ディリ市バイロピテ地区の米国人医師が院長を務める民間クリニック。プライマリケアが中心だが入院施設もある。外来患者数は1日あたり250人~300人とHNGV救急外来よりも多い。この記事では見出しだけをみると「結核患者30人が手術のためにオーストラリアに搬送された」との意味にとれるが、結核は薬物療法で治癒する疾患であり外科治療が必要な結核患者はほとんどない。ここでは心臓病を含む外科的疾患の患者30人という意味である。)

 

 

 

 

 

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