「東ティモールのHIV感染症・AIDS患者は126人に」
(TL identifika nain 126 HIV/SIDA. Jornal do Diario Nacional, 2009/10/01)
保健大臣Nelson Martins氏は、国家HIV感染・AIDS対策委員会(KNLHS)の長として、東ティモールのHIV感染症・AIDS患者は2001年から2009年までの累計で126人にのぼったと発表した。東ティモール住民はこの病気の危険性を知り十分に注意しなければならない。
126人のうち17人(女性8人、男性9人)はすでに免疫不全状態(いわゆるAIDS)に至っている。19人(女性7人、うち2人は子ども、成人男性12人)はすでに死亡している。また30人(5歳の子ども3人を含む女性15人、成人男性15人)はARV(抗レトロウイルス薬)治療をうけている。HIV感染症は世界的な脅威であるが、特に東ティモールのような途上国においては非常に重大なかつ現実的な危機をもたらしている。
同氏によれば、KNLHSは独立して政府に対してHIV感染症・AIDSの危険性に対する情報を提供し、またどのようにしてそのリスクに対応していくかということについて提言をする機関である。今回のこの事実をふまえ、HIV感染症・AIDSは東ティモールにおいて現実的な危機であることを認識し、予防だけではなく特異的な治療についても力を入れるべきであるとする。生まれるときにHIVに感染してしまった患者が不当な差別をされないようにし、感染者が特異的な治療に前向きに取り組み健康的な人生を選択することを勇気づけ、そのことによってHIV感染が拡大することが予防できる。「それぞれの家族全員がHIV感染予防に介入できる立場にあるということを知り、次の世代が健康的な生活を送れるようにしていくことが大切である」と氏は勧める。
大切なことは、この病気を注視する必要があること、治療の場をどのようにして提供していくかということ、また国内に存在するHIV感染症・AIDS患者はケアや支援を必要としていることを認識することである。現在は、治療や予防に対する人材、検査・治療のための機材や薬剤などが不足している。しかしこの病気との闘いのための努力を止めるわけにはいかない。それは東ティモール国家のための努力であるとも言える。Martins氏によると、ディリ国立病院HNGVとバイロピテクリニックには抗レトロウイルス薬による治療センターがすでに開設されており、マリアナにおいても今後開設する予定であるとのことである。
(訳者注:2009年7月の新聞記事では患者数120名と報告されていた。)
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