「ベトナム政府が医療機器を東ティモールに供与」
(Governu Vietnam Entrega Ekipaments Saude ba TL. Jornal do Diario Naciona., 2009/08/27)
ベトナム政府のEast meets West局長Luasiano氏は、公式に東ティモール政府に対してシパット、ポトグラピという医療機器1セットを供与した。これらはディリ国立病院HNGVに保健副大臣Madalena Hanjan氏から直接引き渡された。
HNGVの産科部長Virna Chan医師によると、シパットと呼ばれる機材は、呼吸ができない新生児に対して使用するものであり、手術室ではすでに分娩時の母親に対して酸素を投与するときに使用されてきたものである。この機器を使用する前にはエンドルクラリトというものを手術室で挿入しなければならない(訳者注:おそらくシパットSipatとは人工呼吸器、エンドルクラリトEndorklaritoは気管内チューブのことであろう)。「これまで当院にあったこの医療機器は手動だったので、医療スタッフがポンプを押し続けることが必要だった。子どもについては酸素の量をコントロールできないので子どもに対してこれを使用するのは、この機器がないときはとても危険だった」とVirna医師は語る。
Virna医師はまたポトグラピについて、この機器は新生児のミリニウムが高くなることで皮膚が黄色になるゾンディスという病気の治療を行うものであると説明した。血液の中のミリニウムが高値になると体重が低下し頭にも毒として作用する(訳者注:新生児黄疸のことを指していると思われる。ゾンディスZondisはjaundice黄疸のことであろう。ミリニウムmiliniumとはビリルビンのことか。通常新生児黄疸で体重が減少することはないがビリルビンが脳に沈着すると重篤な脳障害をきたす。新生児黄疸の治療は光線療法phototherapyという。ポトグラピPotogtapiはこれを指していると思われる)
Hanjan氏は米国ワシントンでLuciano氏と会い、互いに協力関係を形成することで今回の供与にいたった。このほかにも現在6人の公務員がベトナムで研修をうけており、そのうち2人が今回供与された機器を操作するための研修を今後も続けることになっている。「これらの医療機器や医療技術を学ぶことは重要である。当国においては統計によるといまだに新生児・乳児の死亡率は非常に高く、50%に上っている(原文ママ)。保健省はこの死亡率を0~3%まで低下させることを目標にしている。これまでは医療機器がないこととそれぞれの疾患が重症であったために、未熟児のおおむね20~30%の未熟児は死亡していた。」とHanjan氏は語る。
政府が決定した2020年までの開発戦略を記したMDJにおいては、2010年までに現在は成人と子どもの両方を扱っている集中治療室を分け、新たに子どもの集中治療室NICUを整備する計画が盛り込まれている。それによれば、今回供与された機器を使用することで2010年にはNICUをスタートさせることが可能になる。HNGVは特に他の県からの紹介患者も多い。重症な子どもが紹介されるために死亡率も高くなっている。
Luciano氏によれば、今回供与された機器は非常に重要で、個人の治療だけでなく病院システムの発展にも貢献するであろうとのことである。ベトナムでも以前は30~40%の死亡率があったが、現在はこれらの医療機器を使用することによって3%まで減少している。
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