領事関係情報

 

医務官からのお知らせ

 

~ 東ティモール新型インフルエンザ対策参考資料その3 緊急脱出のための参考資料 ~

 

2008/11/11 塩川宏郷作成

2008/12/05 修正

目的:新型インフルエンザのパンデミックに際し、緊急脱出行動を適切にとることができるようになることを目的としています。

 

1. 緊急脱出の注意事項

 

新型インフルエンザが東ティモール国内で発生あるいは近隣諸国で発生した場合には、日本にむけた緊急脱出が唯一の策であると言っても過言ではありません。先述のように、仮に東ティモール国内で感染してしまうと非常に限定された医療リソースに頼ることになりますので、感染が拡大する前に、自らや家族に感染の危険が迫るまえに一刻も早く帰国することが大切です。
日本に向けて脱出するにあたっては、航空機を使用するしかなく、ルートは4つしかありません。すなわち、インドネシア経由(ジャカルタ経由、デンパサール経由)、シンガポール経由、オーストラリア経由(ダーウィン経由)の4つです。これらのルートを航行している民間航空機の利用を考える必要がありますが、パンデミックの状況でそれらが平常通り運行しているかどうかはわかりません。たとえばバリで新型インフルエンザがすでに流行している状況があるかもしれませんし、それ以外でもダイヤの変更や運行の中止という事態もあります。
また、日本においても水際作戦が開始されると流行地あるいはその近隣からの帰国者について、入国を制限することもあります。また日本でも先にパンデミック状況になることもあるでしょう。これらの事態に際して、そのときから準備を始めるのでは遅い、ということは明らかです。もっとも大切な注意事項は
「いますぐ、準備開始!」
ということです。

 

2. 事前準備

1) 脱出ルートの確認

      東ティモールから単純に帰国する場合をまず考えてみてください。出口は一つ、ディリにある国際空港だけです。必ずそこを通過することになりますが、ディリ在住でない方はディリまでの交通手段を検討する必要があります。その際に、たとえば国内で新型インフルエンザが発生しているばあいは、ディリまでのルートの途上にならないかどうかを確認する必要があります。したがって、ディリにでる複数のルートをあらかじめ決めておく必要があるでしょう。もちろん交通手段についても、公共交通機関は使用できない可能性もありますし、タクシーなどがどの程度機能しているかも予想できませんので、近隣の方や在留邦人どうしでふだんから協力しあうことができるように話し合いを持っておくことが必要です。
      脱出ルートのゴールは、日本国内の目的地です。家族や親戚、あるいは滞在先についても事前に確保する必要があります。
      退避ルートが決まったら、あらかじめ大使館の領事・警備班に連絡しておくことも忘れないでください。

    2) 緊急持ち出し用品(逃げ袋)の準備

      地震が多い日本では、「非常用持ち出し袋」は一般的に準備されていることが多いですが、東ティモールではあまりみかけません。パスポート(期限も確認、インドネシアを通過する場合には有効期間が6ヶ月以上残っていないとだめ。再申請から交付までは2~3週間かかります)、ビザ、お金、クレジットカード、身分証や保険証書、そのほかの貴重品、さらに水や食料・医薬品も準備しておく必要があるでしょう。中身については定期的に点検し、必要に応じてバージョンアップすることも大切です。チェックリストを参考にしてください。

    3) 情報源の確保

      脱出するにあたっても、リアルタイムで状況が変化して行きますのでその情報を入手するための手段を確保しておく必要があります。携帯用のラジオや携帯電話、場合によっては無線機などが必要になる可能性もあります。どのような状況でも、①情報収集→②情報分析と意志決定→③行動、の3ステップを繰り返していくことが大切です。

    4) 仕事を中断するための準備

    「仕事のために国内にとどまる」ということを、避けてください。新型インフルエンザの流行は、命を左右する事態です。暴動や戦争状態と同じレベルで考える必要があります。いまあなたが携わっている仕事が重要であればあるほど、ご自分の安全を第一に考えてください。常に「仕事が中断できる」状態を意識すること、それはいつでも仕事を再開できるようにしておくこと、という意味です。

3. 脱出の手順

1) 脱出することの連絡と脱出ルートの報告

2) ディリまで

3) 日本まで

4) 脱出途中経過・目的地到着の連絡

5) 情報収集

4. 脱出のためのチェックリスト

5. 大使館からのお手伝い

 

大使館では、退避勧告の発出後、在留邦人の安否確認および退避ルートなどの確認を個別に行います。同時に退避ルートに関する情報(航空機の運航状況や日本国内の受け入れ状況など)をできる限り提供できるように準備をしています。安全確保の意味でも脱出の際に大使館に連絡していただくようお願いいたします。
万が一、民間航空機の運航が中止されるなど、脱出の手段がなくなってしまった場合は、国連やオーストラリア軍への応援要請、または政府専用機あるいは自衛隊機の出動要請も考慮いたしますので、その都度大使館からお知らせする情報にご注意いただくようお願いいたします。

 

 

 

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