~ スザンナさんとの再会 ~
1.出会い
私は2010年8月11日~8月16日、東ティモールを旅行し、偶然、ある東ティモール人女性と出会った。日本への帰路、ディリ国際空港で、結果的に8時間半遅れのバリ行きメルパチ航空をひたすら待った。ようやく出国手続きが始まって、乗客たちは先を争うように窓口へ殺到する。そんな時、彼女に声をかけられたのだ。
彼女はJICAの研修で「海難救助・海上防災コース」に参加するため来日する東ティモール国家警察官のSusanaさん。バリ・デンパサール空港での時間ぎりぎりのトランジットも、彼女と一緒だったので、私はかなり心強かった。Susanaさんとはメールアドレスを交換し、ぜひお会いしましょうとメールのやり取りをしていました。
2.再会
Susanaさんは、兵庫での1ヶ月半の研修後、10月の1ヶ月間を横須賀で研修を受けていた。
ようやく再会できたのは、横須賀での研修最終日の夜。
待合せは彼女が宿泊しているホテル。彼女は横浜・関内駅から徒歩7分、横浜スタジアム前のホテルに宿泊し、そこから毎日、横須賀まで電車で通っていたという。
ホテルの玄関外で待っていてくれたSusanaさんは、茶色の上着に毛糸の帽子、ジーパンにスニーカーというラフな格好だった。飛行機でご一緒した際の彼女の服装は、黒と白と金糸の縞模様の光沢のあるブラウスに、黒のタイトスカート、ハイヒールという、かな り意気込んだ格好だったので、かなり印象が違っていた。
彼女も私のことを、メガネをかけていたのを覚えていた程度だったそうで、駅の改札など、人混みで待合せをしたら、わからなかったかもしれない。
日本料理を何でもトライしてみたいという彼女からのリクエストに答えるべく、寿司、天ぷら、すき焼き・・・と色々と候補を挙げたのだが、どうせだったら、何でもちょっとずつ食べられる方がいいかなと考え、結局、横浜高島屋の最上階の日本料理店で、懐石料理を予約しておいた。
私は、心ばかりの来日の記念に、子供用の半被セットを渡し、彼女からはタイスを頂いた。
トランジットでご一緒しただけで、ほとんど知らない東ティモール人女性と夕食をご一緒して、会話が弾まずに時間を持て余したらどうしようかと、少し案じていたのだが、彼女は実によくしゃべるし、あまり物怖じしない。横浜のデパートでは、秋葉原で購入したというデジカメで、盛んに写真を撮っていた。
フィリピンやインドネシア、マレーシア、ブルネイ等の国から派遣された13人の研修メンバーのうち、女性はSusanaさんただ一人、だそうだ。
東ティモールを代表して日本で研修を受けられるのだから、さぞかし優秀な女性のはず。
ロスパロス近郊の出身だそうで、出身地の言葉(東ティモールには多くのローカル言語があるそうだ)、公用語であるテトゥン語とポルトガル語、それに、インドネシア語と英語が堪能でいらっしゃる。
まだ30歳代に入ったばかり、9歳と7歳の息子さん、2歳の娘さんがおり、今回の研修中は、農業関係のお仕事に従事するご主 人や、姉妹、母親がお子さんの面倒を見てくれているそうだ。ちなみに、Susanaさん自身は9人兄弟の末っ子だそう。
2006年の動乱時には、研修で中国に滞在していたそうだ。ご主人も出身地に戻っていて無事だったが、ディリの家の中はめちゃくちゃになっていたとか。色々な話を伺った。
さて、彼女にとっては、懐石料理はちょっと量が多かったようだが、残さず食べてもらえて、嬉しかった。私は再び東ティモールへ行く機会があったら、是非、Susanaさんのお宅を訪問できればいいなと思っている。
翌朝、台風が関東に接近する中、彼女は新幹線で兵庫へ移動して行き、安着を知らせるメールとともに、一緒に撮った写真を送ってもらった。
Susanaさんは残り1週間の研修の後、関空よりバリ経由で東ティモールへ帰国する予定とのこと。
帰国後のプレゼンテーションのご成功を祈りつつ。
山室(電機メーカー・情報システム開発担当)
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