館員の見た東ティモール

 

「ディリの交通事情」

 

 ディリの町には、私が数えた限りでは信号機が10か所程度しかありません。他の地方都市に信号があるという話は聞きませんから、東ティモール全土でこれだけなのでしょう。

 

 ここの信号は交差点の手前に設置されているので、どうしても信号の見える位置で停止しないと、信号が青に変わっても判りません。ボケーとしていると、よく交差点間際まで行って停止してしまいます。いざ信号を見ようとすると、信号機が横にあってランプが見えなくて焦る事があります。その為かどうか、この国では信号が青になると間髪をいれず、後ろの車がクラクションを鳴らして青になったことを知らせてくれます。最初のころは(今でも時々)早く行けと催促されているようでムカッとしていましたが、これは信号が変わったことを知らせる相互補助なのかもしれません。

 時々故障していたり、停電で点灯していなかったり、夜になると黄色の点滅になってしまうし、稼働率が高いとは言えませんが、信号機たちは頑張っています。

 

 以前は信号が青でも左右を確認して交差点に入らないと、信号無視のバイクや車がすごいスピードで突っ込んで来ていたものですが、最近はルールを守る人が増えてきたように思います。  

 また、大きな交差点で信号のない所は、ラウンドアバウト方式(ロータリー方式)になっている所があります。この交差点の通過方法も慣れるまで苦労します。

 運転している人の出身国によって交通法規が違うため、交差点に入る車が優先か、中で回っている車が優先かというように違ってきます。信号が赤でも左折可能な国もあれば、交差点では右側から来る車が優先という国もあるようです。


 最近は、国内の治安も回復してきて、盗難や暴力事件は減ってきているようですが、車やバイクの量と交通事故は増えているそうです。

 昔の交通標語を思い出しました。

 「狭いティモール、そんなに急いでどこへ行く。」

 今後とも安全運転で行きましょう。

 

 

(若狭)

 

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