1999年の独立をめぐる紛争により、当国の都市水道施設は大きなダメージを受けた。かかる状況を背景に、我が国はアジアの同胞として、世界に先駆け援助の手を差し伸べることとなった。東ティモールの水道に対する我が国の援助は、2000年2月に始まり現在に至っている。その主要なプロジェクトを時系列に並べて見ると、下記の通りとなる。
2000年2月~2001年2月: 「東ティモール水供給システム緊急改善計画調査」(JICA) ディリを含む全国主要15都市の緊急リハビリ・整備計画の策定等。
2000年6月~2003年7月: 「ディリ市水道施設改善計画」(UNOPS) セントラル浄水場新設、ベモス川導水管敷設等。
2002年7月~2003年10月: 「地方都市水道改善計画」(UNOPS) 3都市(リキシャ、ロスパロス、マナトゥト)水道施設。
2003年6月~2004年3月: 「ディリ市水道施設改善計画」(UNOPS) ディリ市内配水管敷設等。
2005年3月~2007年5月: 「ディリ上水整備計画」(JICA) ディリ市内3浄水場(ベモス、ラハネ、ベナマウク)リハビリ工事。
2006年3月~2008年2月: 「サメ・アイナロ上水整備計画」(JICA) サメ・アイナロ浄水場新設、配水池及び配水管敷設。
2008年11月~2011年3月: 「東ティモール国水道局能力向上プロジェクト」(JICA)ディリ及び地方4都市(サメ、アイナロ、ロスパロス、リキシャ)浄水場の運転維持管理並びに水質管理能力向上を目的とした人材育成プロジェクト。
上述の通り、東ティモール国水道施設の改善・整備事業に着手してから既に10年の歳月が過ぎたことになる。しかし、この間には2006年に実施された選挙に伴う体制・反体制派の勢力争いが国を二分した騒動に発展し、我々プロジェクト関係者も、半年近くに亘って退避を余儀なくされたこともあった。ともあれ、一連の水道プロジェクトの締めくくりとして、2015年までに適切な水道サービスを都市人口の80%まで普及させることを目標に、最終仕上げの人材育成プロジェクトを現在実施中である。
下記2枚の写真は、2006年アイナロ(ソフトコンポーネント実施時)でのものであるが、屈託のない子供達の笑顔がすばらしく、彼らが10年後、20年後に、東ティモールを背負って立つ時には、明るい未来が開けている事を切に願うものである。
(萩原)
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