あれは忘れもしない当地着任を控えた2008年2月11日の夕方。故郷での休暇を終え、警備対策官研修に戻るため外務省研修所に向かうべく新幹線に乗っていたときのことでした。
なにげなく車両前方にある電光掲示板を見たとき、「~大統領襲撃される」のテロップがながれているのが目にはいりました。
どこなんだろう、大変だな~くらいの気持ちで掲示板をながめていたのですが、もう一度ながれたテロップに表示されたのは「東ティモール大統領襲撃される」でした・・・。
なんとも言えない気持ちと「やるしかない!」という気持ちが交錯したまま東ティモールの地に降り立ったのは4月18日。ディリ空港からホテルへ向かう車内の窓から見える光景は、道路横に立ち並ぶIDPと呼ばれる国内避難民キャンプ、昼間から何もせず地べたに座り込む若者達、窓ガラスの無い車両、どれもこれも私の不安をかきたてるものばかりだったのを覚えています。
着任してまもなく、日本から来られる方々の警護に関する調整業務をPNTL(国
家警察)と行うことになりました。事前打ち合わせの時は、「ノープロブレム!オーケー、オーケー!」と言ってくれたのですが、いざ本番当日になってみると要請した内容と全然違うのです。ですが、こちらが要請した警備内容よりもより強力な警備体制をとってくれていました。「俺達の手で守る!」という気迫が伝わり頼もしく感じたのを覚えています。
業務終了後、警護にあたってくれた警察官のうち白バイ隊員3人に感謝の気持ちを込めて夕食を御馳走することとし、レストランで待ち合わせをしました。
ところがレストランに現れたのは10人!警察官の1人曰く、「みんな俺の可愛いい兄弟だ!」・・。全員を招待したことは言うまでもありません。みんなは特大ビーフをおいしそうに食べ、ビールを飲みながら、私は焼きめしを食べ、水を飲みながらの大いに盛り上がった楽しい打ち上げ会となりました。懐かしい思い出です。
![]()
2年間、東ティモールで勤務させて頂きましたが、当地で得た経験、色々な出会い、どれをとっても赴任地が他のどこの国でもなく本当に東ティモールでよかったなとつくづく感じています。
今月末には他国へ転勤です。東ティモールから離れることになりますが、また何かの機会に戻ってこられることが出来ればとの思いひとしおです。
(長尾)
(c) Embassy of Japan in Timor-Leste Avenida de Portugal, Pantai Kelapa, Dili, Timor-Leste (P.O. Box 175) Tel: +670-3323131 Fax: +670-3323130