私は縁あって、去年の9月から10月にかけてと、今年の1月とで、計2回、合計60日間を東ティモールで過ごしました。出発前にホテルの情報や生活の情報をネットで探してもほとんど無く、有るのは独立当時の争乱の情報ばかりで、一体どんなところかとても不安でした。飛行機がディリ上空にさしかかって下を見ると、見えるのはハゲ山ばかり。益々大変なところに来てしまったと思いました。
しかし実際にこちらで生活を始めると、思っていたよりもずっと快適な生活を毎日送ることが出来ました。スーパーには空き棚も目立つけど結構物もあるし、ファストフードは無いけど、どこのレストランに行っても美味しいし。しかも、映画館もゴルフ場もないこの国で、日本食レストランがあるのです。味だってバッチリです。それだけで何か感動してしまいました。
ティモール人は、南国だけあって笑顔が素敵で、親しみやすい人たちです。聞くところによると、此処の国の出生率は6.5人で、平均年齢は、17.3才とのこと。道理で、町中に子供が多いと思ったけど、本当に若い国なのですね。
国立東ティモール大学に行った時、学生は休み期間中でいませんでしたが、子供達がキャンパスで遊んでいました。こちらがカメラを持っているのに気が付くと、フォト、フォト、と言って写真を撮ってくれるようねだりました。また、東ティモールの飛び地であるオエクシに行った時も桟橋で泳いだり釣りをしていた子供達が集まってきて、カメラを向けると盛んにポーズを取ってくれました。この笑顔、この人なつっこさは最近の日本ではなかなか見られないものです。
この国は、私が訪れた国の中でも、是非もう一度行きたい国のナンバーワンです。発展途上国の田舎というか、国自体が田舎のような感じがするからかも知れません。私と波長が合いました。とにかく心がほっとするのです。
2回目に東ティモールへ行った時には雨期で、山々は草が生え、緑でおおわれていました。3ヶ月前に行った時とは大違いです。10年後、この子達が学生の内は、東ティモールは今と余り変わっていないかも知れません。しかし、この子達が大人になって若い世代が力を合わせれば、雨期に山々が芽吹くように、この国ももっと発展していく事でしょう。それを願って、少しでもお手伝いできたかなと思いつつこの国を後にしました。
樋浦(JICA専門家)
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