館員の見た東ティモール

 

「イカット」ではなく「タイス」と呼んでね

―東ティモールの伝統的織物―

 

 東ティモールの魅力については、既に他の館員が色々とご紹介していますが、今日は伝統的織物についてご紹介したいと思います。東南アジアを仕事や旅行で訪れる度、私は夫々の地域での伝統的な織物や染物等の布に心奪われてきました。そしてここ東ティモールでも期待以上の出会いがありました。

 

  東南アジアの織物や布にご関心のある方は、「イカット」と呼ばれる織物があるのをご存知かと思います。「イカット」はインドネシア語及びマレーシア語の「ikat」、つまり「結ぶ」という単語が示すとおり、製造過程で結び目をつけて模様をつけることからそう呼ばれているそうです。東ティモールでも類似の織物があるのですが、ここでは「Tais(タイス)」と呼ばれていますので、どうぞお見知りおきを。

 

 当館のホームページをご覧の皆様の中には、各種式典で大使が首から布をかけている写真にお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、そう、あの布です。サイズは色々あって、ネクタイを太くしたようなものから畳一畳分程の物まであります。タイスは伝統的衣装として身に纏う他、尊敬の念を込めて客人の首にかける等利用されています。


 東ティモールは長野県と同じ位の面積の小さな国ですが、地方によって模様に特色があります。各県での典型的な模様は、国会議事堂の中にも掲示されている他、海辺のモニュメントでも見ることができます。


 東ティモールは人口約100万人で、面積は前述したとおり長野県と同じという、国としては小さな規模ですが、タイスの模様の違いだけでなく、異なる言語も複数存在し、文化の多様性について考えさせられます。私はこの国の発展を支援する仕事に携わっていますが、彼ら彼女らが今ある伝統を失わずにいて欲しいと願ってやみません。


 最後に以下に、タイス市場の様子や私のちょっとしたコレクションをご披露したいと思います。

 

 

 

(林)

 

タイス市場の様子

タイスを贈呈される北原大使

後ろはグスマン首相

タイスを着た少女達

ロスパロス地方の模様
スアイ地方の模様
オエクシ地方の模様
海岸のモニュメント

 

 

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