秘境マロボ温泉
東ティモールに赴任して、早5か月。初めての社会人生活、初めての一人暮らし。東ティモールに来て以来、いろいろな『初めて』を経験しながら、充実した日々を過ごしています。その充実した日々にさらに彩を加えてくれるのは、地方への旅行です。仕事では残念ながら首都ディリからほとんど出る機会はありませんが、時々地方へ旅行に行き、雄大な自然を肌で感じ、現地の人たちの笑顔に触れると、ディリでちょっと疲れた心も、体もたちまちリフレッシュします。
無邪気な笑顔を見せてくれる子供たち。
今回は、赴任以来旅行した中で一番お気に入りの地、マロボ温泉を紹介したいと思います。温泉といえば、旅館に泊まってゆったり露天風呂、というシチュエーションを想像しがちですが、このマロボ温泉は日本の温泉とは一味も二味も違います。
まず、温泉にたどり着くまでの道のりは、秘境温泉と言われるだけあり、少し覚悟が必要です。今回私たちは首都ディリから、車で7,8時間ほど走った後、温泉に辿り着く前に暗くなってしまったため、近くの村で使われていない廃墟を借り、そこにテントを張って、寝袋で一夜を越しました。テントに寝袋なんて、中学生の時に家族で行ったキャンプ以来でしたが、思いのほか寝心地が良くぐっすりと寝ることができました。
翌朝、いよいよマロボ温泉を目指し出発です。
さわやかな朝日を浴びながら、山道を40分ほど歩くと、そこには湯気が立ち込め、硫黄の匂いを漂わせた、マロボ温泉がよくここまできたな!と言わんばかりに、出迎えてくれます。
ここはポルトガル統治時代にリゾート地だったようで、今でもその石造りの建物跡が残っているのです。湯船は、大きなプールほどあり、その昔から大浴場としてポルトガル人や東ティモール人が疲れを癒していた場所だったのだろうな。昔の人はここでどういう事を話しながら温泉に入っていたのだろう。などいろいろ思いを巡らせると、なんだかとても昔の人が身近に感じられました。
ポルトガル時代の石造りの建物。今でも立派に残っています。
マロボ温泉の巨大湯船。
このマロボ温泉は、正真正銘の天然温泉で、上流から川のように源泉が流れ込んでいます。源泉は少し熱めなので、要注意です。
川のように流れている源泉。
しかも、湯船の底にはたくさんの泥がたまっており、天然のマロボ泥パックができるのです。私もついついお肌に塗りたくってしまいました。お湯加減も最高で、東ティモールの山々に囲まれての露天風呂で、心も体も癒されました。
泥パックをしている私!ではなく、ドライバーさん。(笑)
東ティモールには、このマロボ温泉の他にまだまだたくさんの魅力的な場所があります。2年間の任期では時間は足りないかもしれませんが、これからもどんどん東ティモールの魅力に触れて行きたいなぁと、つくづく思ったマロボ温泉旅行でした。
マロボの山並み。
(浅野)
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