北原大使挨拶

 

 

 ロロサエの国「東ティモール」の皆さん、こんにちは。

 

 本日、ラモス・ホルタ大統領に信任状を奉呈し、三代目の日本大使としての任務に就くことになりました。旭大使、清水大使同様、宜しくお願い申し上げます。

 

 今、東ティモールは、国づくりという歴史的な時代の真っ只中にあります。皆さんは、人材を育成し、幾多の試練に挑戦し、山積する課題に取り組んでいます。自立に向けて一歩でも半歩でも前進するため努めています。これらのことは、容易なことではありません。しかし、6年前、今日の独立を成し遂げた皆さんであります。私は、皆さんが必ずや成し遂げることが出来ると確信致しております。

 

 このような中にあって、我が国は、これまで自衛隊JEGや文民警察官、選挙監視団の派遣等の平和構築に向けた取り組みのほか、無償支援やNGO等を通じたきめ細かな支援実施に努めてきております。こうした支援は、今後も引き続き継続すべきものと考えております。そして、東ティモールが自立し発展して行くためさらにどのような支援を行うことが適切であるか等についても、東ティモール当局と緊密に協議し、積極的に取り組んでいきたいと思います。

 

 日本と東ティモール両国は、当国の独立以来、未来志向に基づいた一貫して友好的な二国間関係を維持しており、政治・経済協力等の多方面で良好な関係を築いて参りました。私は改めて責任の重大さを認識し、大使館員と一体となって、東ティモールとの長期的なパートナーとして、関係の皆様と共に引き続き国づくりを支援し、一層の信頼関係、絆を発展させていくため最善の努力をしてまいります。

 友好関係で最も重要な礎は人の交流です。今後、政治レベルはもちろん、東ティモールの次代を担う若者をはじめ各レベルでの対話・人物交流・文化交流等の諸活動を活発に行っていくと共に、民間の方々の各種交流活動についても積極的に側面支援して参りたいと思います。

 

 共にアジアに存在する同朋として、私は一人でも多くの東ティモールの皆さんに日本を、日本人を知って頂きたいのです。そして同時に、多くの日本人にこの美しい大自然と独自の文化を大切にされるこの国のことを、また皆さんのことを知ってほしいのです。

 

 こうした観点からも、大使館としての常日頃からの情報発信は極めて重要であり、早急にその充実強化に取り組んで参ります。

 

 赴任に際し、「Rai Timor」という歌の存在を知りました。9月6日、日本の地方都市の平和コンサートにて、沖縄出身の女性ソプラノ歌手が初めて日本語で歌い、日本国民に披露しました。聴衆の皆さんからは、自然と手拍子が沸いてきたそうです。

 

 

「花にしよう ティモールの国を 世界中を飾る花に

人々に笑顔を送る花 みんなに幸せを送る花 ティモールを大事にしよう」

 

 

 東ティモールの100万人の国民一人一人が、このRai Timorに咲く花の如く、「みんなちがってみんないい」一人一人のかけがえのないオンリーワンの人生の花を現在進行形でずっとずっと咲かせていけることを心から願い、力一杯の声援を送り挨拶とさせて頂きます。

 

 

 

2008年9月15日

在東ティモール日本国大使
北原 巖男

 

 

 

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