対東ティモール支援

 

無償資金協力「民主的な国政選挙による平和構築計画(UNDP連携)」に関するE/N署名式について

 

 

1. 8月11日(木)、首都ディリの国家行政省選挙管理局(STAE)会議室において、北原巖男駐東ティモール大使と田中美樹子UNDP在東ティモール所長との間で無償資金協力「民主的な国政選挙による平和構築計画(UNDP連携)」(供与額1.35億円)に関する交換公文(E/N)の署名式が行われました。本署名式はグテレス副首相、カブラルSTAE代表、ハク国連事務総長特別代表(SRSG)及び当地訪問中の菊田外務大臣政務官による立ち会いの下執り行われ、東ティモール側からはレイテ国家行政大臣、カルロス外務副大臣、ペレイラ行政改革担当国務長官他、国連関係者及び外交団も駆けつけ、本計画並びに2012年国政選挙の成功に向けて決意を新たにしました。

 

2. 東ティモールの独立10周年に当たる2012年は、大統領選挙及び国民議会選挙を控え、国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)の撤収も検討されており、当国にとって節目の年であります。北原大使はスピーチの中で「2012年の大統領選挙及び国民議会選挙が自由且つ公平な形で平和裏に実施されることを確信しています。この選挙は東ティモールの民主的な発展における重要な出来事となるでしょう。」と述べました。

 

3. 本計画は、当国の選挙の実施・管理を担うSTAEに対して、透明性の確保と有権者への情報公開を目的とした情報処理関連機材及び有権者への広報強化を目的とした車両を供与するとともに、これらを有効に活用するための技術指導を行うことにより、選挙の実施体制の強化を図るものです。本計画の実施により、農村地方を含む全国各地の有権者に対して選挙情報の周知徹底が可能になるとともに、開票結果を各地で同時発表することにより、選挙結果の情報操作等の不正防止が図られ、選挙の透明性及び選挙結果に対する有権者の信頼が強化されることが期待されます。

 

4. UNDPによる東ティモールでの選挙支援は、当国の包括的な選挙管理・運営能力の向上を目的としており、これまでSTAEに対して様々な支援を実施してきました。2008年12月には国連選挙支援チーム(UNEST)を設立して選挙管理能力支援を実施、また、2009年の村長選挙では国連ボランティア(UNV)を活用した監視員派遣を含め、高い管理能力を発揮して支援を実施してきました。田中所長はスピーチの中で「カブラルSTAE代表による強いリーダーシップの下、2012年の大統領選挙及び国民議会選挙が自由・透明性・公平性を持って平和裡に遂行されることを確信しています。」と述べるとともに、「今回の日本政府による貢献は、東ティモールが民主的な選挙プロセスを実施する能力を強化することでしょう。」と日本の支援に対して感謝の意が表明されました。

 

5. 東ティモール政府の代表として本署名式に立ち会ったグテレス副首相は、スピーチの中で「日本は東ティモール独立以降、我が国の安定と発展、特に平和構築分野において多大な支援を継続的に実施してきた。東ティモール国民及び政府を代表し、謝意を申し上げる。」と述べました。また、同副首相は「日本は、3月に起きた東日本大震災によって甚大な被害を受け、復興という重大な課題を抱えている状況の中、強い決意を持って今回の選挙支援を含め対東ティモール支援を続けている。かかる日本の堅固な姿勢及び厚い友情に謝意を申し上げる。」と述べました。

 

6. また、菊田政務官は「今次訪問の機会に署名式に立ち会うことができて光栄です。」とご挨拶をされ、「我が国は、東ティモールの発展がアジア太平洋州地域の安定と発展のために重要であるとの認識の下、選挙支援を含め、東ティモールにおける平和の定着及び国造りへの取組に対し今後も積極的に協力していきます。」と述べました。

 

7. 先般東ティモール政府が発表した、当国の中長期開発計画であるSDP(戦略開発計画)の取り纏めに際し、グスマン首相は民主的な国造りにおける東ティモール国民による参加・参画の重要性を提唱しています。SDP及びSDPに基づいた国造りを全面的に支援する我が国が民主主義の根幹とも言うべき選挙分野で継ぎ目のない支援を行っていくことは、当国における民主主義の定着を確固たるものにしていく上で極めて重要です。 いよいよ本格的な開発へと始動する東ティモール。その民主的な国造りへの努力に対し、我が国は今後とも支援を続けていきます。

 

 

【参考】対東ティモール支援 草の根・人間の安全保障無償資金協力 「コミュニティー選挙における有権者教育強化計画」に関する署名式について(2009年9月28日)

 

(了)

 

スピーチをする北原大使
スピーチをするグテレス副首相
E/Nの交換(左から北原大使、田中UNDP所長)
ご挨拶をする菊田外務大臣政務官
集合写真(左から持田DSRSG、北原大使、田中UNDP所長、ハクSRSG、菊田外務大臣政務官、グテレス副首相、レイテ国家行政大臣、カルロス外務副大臣、ペレイラ行政改革担当国務長官、カブラルSTAE代表)

 

 

 

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