対東ティモール支援

 

一般無償資金協力
「オエクシ港緊急改修計画」に係る交換公文署名式

(外務省ホームページへ)

平成22年12月23日

 

 

1  12月14日(火),東ティモールの首都ディリの外務省内において,我が方北原巖男駐東ティモール国大使と先方ザカリアス・アルバノ・ダ・コスタ外務大臣との間で,11億7,500万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力「オエクシ港緊急改修計画」(Oecusse Port Urgent Rehabilitation Project)に関する交換公文の署名式が行われました。また,同交換公文の署名を受け,同日,無償資金協力の実施機関であるJICA東ティモール事務所の榎本所長と先方ザカリアス・アルバノ・ダ・コスタ外務大臣との間で,具体的実施に係る贈与契約書の署名が行われました。

 本件供与金額は,我が国による対東ティモール無償資金協力の中では最大規模となります。

 

2  同署名式には,ライ・インフラ大臣,テメ・オエクシ県担当国務長官,カエイロ公共事業担当国務長官,アヌノ・オエクシ県知事等も出席しました。

 

3  本件無償資金協力は,グスマン首相から北原大使への強い要請をもとに,飛び地であるオエクシ県の老朽化等の激しいマハタ貨物船専用桟橋を改修して,フェリーと貨物船の両方が接岸できる桟橋とし,また,旅客ターミナルビルなどの関連施設も整備するものです。これによって,オエクシ県の6万5,500人の県民はもちろん,東ティモール全体に裨益するところ大なるものがあります。

 現在,オエクシ県と首都ディリの間は,週2便のフェリー「ナクロマ号」が運航されており,ほとんどの人々はインドネシアとの国境を2度通過しなければならない陸路よりも同船を利用した行き来をしています。しかし,現在のフェリー発着場所の状況,潮位等から,フェリーが岸まで十分に近づくことができない危険かつ不便な状態が恒常的になっており,人々は波に浸りながら乗降せざるを得ません。
 本件計画が完了すれば,このようなことも解消されます。

 

4  また,本件計画では,オエクシ港が国際貿易にも十分な機能を持ったものとなることから,例えば,首都ディリ港~オエクシ港~インドネシアのクパン港を結ぶ交易も可能となるなど,オエクシ県を中心とした新たな物流の流れが生まれる可能性が期待されます。

 

5  我が国は,東ティモールの基礎インフラの整備・改修に力を入れてきており,これまでも「ディリ港改修計画」を完了し,首都ディリを中心とした物流の流れの活発化に大きく貢献してきています。本件計画は,東ティモールの国造りの一層の加速化に大きく寄与するものと考えています。

 

6  調印式の模様は国営テレビ,新聞等でも報じられ,関心の高さを物語っています。

 当館は,この計画を通じて日本と東ティモールの友好関係が更に促進されることを願い,その着実かつ安全な実施に努めて参ります。


●交換公文署名風景

(左から北原大使,ダ・コスタ外相)

 

●現在のオエクシ港(マハタ貨物船専用桟橋)

(船着き場が老朽化し,コンクリートの剥離,

鉄筋が著しく露出している状況です)

 

現在のフェリー発着場所におけるフェリー「ナクロマ号」からの乗降風景

(フェリーが岸に近づけないので,乗客は海につかりながら乗降しています)

 

●オエクシ港完成予想図
(左は全景,右は旅客ターミナルの完成予想図)


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