対東ティモール支援

 

 

草の根・人間の安全保障無償資金協力

「ディリ市内青少年施設建設計画」の完成式典について

平成21年6月24日

 

 現地NGO Ba Futuru(邦訳:未来のために)が、日本政府の支援を受けて首都ディリで2008年10月より建設してきた、地域の子ども達や青少年に向けて語学・識字・平和教育を提供するための新しい教育施設が先日完成し、6月11日(木)(現地時間同日)に完成式典が催されました。この完成式典には北原巖男駐東ティモール大使、東ティモールからはラモス・ホルタ大統領やシエラ・ジェームスBa Futuru代表らが出席し、伝統衣装に身をまとった子ども達、地元の子ども達、施設で勉強している若者たち約100人からの歓迎を受けました。

 

 東ティモールは、1999年前後にかけてインドネシアからの独立に向けて混乱期にあったため、当時義務教育を受ける年齢であった現在20代の若者のうち、2割以上が過去に全く教育を受けた経験がないとされています。加えて、都市部の15歳以上35歳未満の若者の失業率は40~50%(注)と非常に高く、東ティモールにおける大きな社会問題となっています。

 このようなことが背景となり、青少年や子ども達は公教育を補完するための教育施設に通うことを強く希望しています。2004年より語学・識字・平和教育等を提供するユースセンターとして活動を行ってきたBa Futuruには、周辺住民の若者、一部の国内避難民、地方からの若者など、多数の青少年や子ども達が教育を受けるべく施設に通っています。

 しかしながら受講を希望する青少年や子ども達が増えたことにより、授業を行うスペースが不足し大きな問題となっていました。

 

 そこで日本政府は、この新たな教育施設の建設事業である「ディリ市内青少年施設建設計画」に、草の根・人間の安全保障無償資金協力から81,429USドルをNGO Ba Futuruに供与しました。その結果授業を実施するスペースとして使用される2階建ての建物が建設され、これにより従来約200人程度の青少年や子ども達しか受け入れられなかったのが、約600人の生徒に教育を提供することが可能になりました。日本の支援によるこの建物が、青少年の健全な育成や就業機会の拡大のために今後役立つことが期待されます。

 新しい国として動き始めた東ティモールの未来を担う青少年や子ども達の可能性がより広がるよう、当館は引き続き草の根レベルの支援を続けていきます。

 

(注) 出典:財務省国家統計局 東ティモール生活水準調査(2007)

 

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①日本の資金により建設された教育施設の外観

②建設された教育施設のテープカットを行う

ホルタ大統領

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③家庭内暴力に関する展示物の説明を受ける

北原大使

(前列左より:北原大使、北原大使夫人、

ジェームスBa Futuru代表)

④ホルタ大統領(前列左から二人目)、

北原大使(前列右から二人目)

及びBa Futuruに通う青少年たち
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⑤地元の子どもたち及び北原大使

⑥完成を祝い握手を交わす北原大使(左)及び

ホルタ大統領(右)

 

 

(了)

 

 

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