PKOの現場から

 


「ローカル・アート」

 

 

 東ティモールでの毎日のパトロールは、発見の連続です。今回は、直接軍事連絡要員として情報収集のために各地の村々を回る中で見つけた建築物や面白い絵画など、様々なアートを中心にご紹介しようと思います。

 

その1 ウマ・ホリク(聖なる家)

 

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 東ティモール伝統の建築物で、いたる所で目にします。我が国の「高床式倉庫」を連想させますが、何かを保管するのではなく、宗教的意味合いが強い建築物だそうです。このウマ・ホリクをかたどった置物は東ティモール定番の土産物です。 写真はどれもラウテム県で見かけたもので、装飾や構造の美しさが目を引きます。

 

その2 ポルトガル時代の遺構(バウカウ県アファサ村)

 

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 バウカウ県ケリカイにあるポルトガル時代の遺構で、行くまでが大変ですが、非常に風光明媚な場所にあります。現在では専ら小学生の休み時間の遊び場になっているようです。

 

その3 クリスマス装飾(ビケケ県ビケケ市街)

 

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 クリスマス・イヴにビケケ県で見かけたクリスマス飾りです。このほかにも、至る所にキリストの生誕の場面をかたどった装飾がありました。讃美歌をロック調に編曲して流したりしていたところもあります。

 

その4 メインエントランス(ラウテム県バリカファ村)

 

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 政府高官の来訪を控えているということで、村の入り口が見事に飾られています。乾燥させた竹やトウモロコシの皮、サトイモ・バナナの葉などを上手く使って鮮やかな黄色を出しています。この下を通るだけでまるで自分がVIPになったような気分になります。

 

その5 チェ・ゲバラ肖像(バウカウ近郊)

 

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 チェ・ゲバラを描いたと思われるストリートアートです。インドネシアによる支配への抵抗の歴史の末に独立を果たしたこの国では、革命家ゲバラはもっぱら尊敬をもって描かれているようです。

 

その6 サンタクロースとゲバラ(バウカウ旧市街)

 

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 これもクリスマスの装飾ですが、よく見ると後ろの壁にゲバラが描かれています。珍しい取り合わせだったので思わず写真を撮りました。

 

その7(マナトゥト県クリバス村)

 

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 ゲバラとミッキーマウス。この2つを並べて何か深い意味を込めているのか、あるいはただの偶然なのか。よく見るとゲバラも、ミッキーと並んで少し柔らかい表情をしているような気がします。

 

その8 ジャコ島(ラウテム県トゥトゥアラ)

 

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 最後はティモール島東端に浮かぶジャコ島です。島内に人工物は一切ありませんが、まさに天然の芸術とでもいうべき非常に美しい無人島です。この島を訪れた人は、ぜひ多くの人にこの美しさを知ってもらいたいと思う一方、できればこのまま、手つかずの秘境でいて欲しいという気持ちも抱くようです。

 

 

 

 東ティモールは独立からわずか10年という若い国ですが、伝統的な土着の文化とポルトガル、インドネシアをはじめとする外国の影響が融合し、非常に敬虔なクリスチャン主体の国という面と、南国特有の陽気さとを併せ持った豊かな文化があります。

 東ティモールは、国の重要な産業として観光業を発展させていく計画を持っています。今後、多くの方々がこの国を訪れる日が来ることを心から願っています。

 

 

バウカウUNMIT軍事連絡要員

建部1尉

 

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