目下、国を挙げて交通網を整備中とはいえ、まだまだ道路事情の悪い東ティモール。道路沿いのライトやガードレールはほとんどなく、夜間のドライブは非常に危険なため、遠距離のパトロールは必然的に泊りがけになります。付近にゲストハウスもない場合、野宿も珍しくありません。
新年を迎えた今回は、その野宿のパトロールについてご紹介したいと思います。
我々陸上自衛官にとって野宿(野営)は特別なもので、大げさに言えば、自身のフィールドを再認識する修養の場でもあります。普段は文明の利器に囲まれた生活に慣れていても、いざというときにはどんな場所でも野宿できる野性も、陸上自衛官として必須の素養だからです。
また、「野宿慣れ」しているからこそ、東ティモールの国連ミッションに陸上自衛官が派遣されているのかもしれません。
この日は2泊の予定で、マナトゥト県南側のナタボラに向かいました。
山を越え…
谷を越え…
午後4時。運良く地元のマーケット会場を発見。屋根の下で泊まることができました(管理者の許可を得ています)。当然電気は来てないので、暗くなる前に食事と蚊帳を準備します。
初めて使う型の個人用蚊帳も、手探りで見事に完成。無意識に線をピシッと揃えるのはミリタリーの習性かもしれません。
さすがにメンバーが野宿慣れしていて、手際のよさが光ります。
盛り付けに華やかさのかけらもないですが、野外の献立としては非常に豪華です。
食後は、各国から持ち寄った冗談話に花を咲かせつつ、夜が更けていきます。まるで学生時代の修学旅行にタイムスリップしたように、子供っぽい盛り上がりです。
「彼女とは、職場のあるワークショップ(講習会)で出会って、結婚した今でもワークショップが続いているんだ」
「…というのは、僕はワークに行って、彼女はショップに行くからさ」
昨年9月末に赴任してから約3ヶ月、東ティモールでの任務も早いもので残り半分となりましたが、異郷での野宿にもささやかな楽しみを見出しつつ、津々浦々のパトロールに最後まで精を出してしていきたいと思います。
翌朝の食事風景
バウカウUNMIT軍事連絡要員
建部 1尉
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