PKOの現場から

 

 

「東ティモールでの初パトロールに参加して」

 

 

 「こんな話は聞いてなかったなぁ・・・」強烈な日差しの中、遥か遠くの山に見える村を見下ろしながら、馬の背中にまたがり考えていた。
 日本の遥か南に位置する東ティモールに展開している国際連合東ティモール統合ミッション(UNMIT)の軍事連絡幹部として、同国に着任して約10日。着隊の手続きや前任者からの申し送り等も終わり、いよいよ主任務である治安情報収集のためのパトロールに出発することになった。
 初めてのパトロールは2夜3日で道路がないため、途中からは徒歩になるとの説明を受けていた。日本を出る前から道路状況の悪さから、2~3時間は徒歩でパトロールすることもあるとは聞いていたので、特に気にせず出発。が、どうも様子がおかしい。同僚のフィリピン人将校は明らかに徒歩で運ぶ量を逸脱した荷物を持っている。聞くと、「目的地の村は水も食料もないから持って行くんだ。もう少し行った村で馬を借りて載せていくぞ。」とのこと。馬。旧軍でいうところの輜重隊。考えもしなかった。車がだめなら馬。ごく当たり前の発想ながら、目から鱗が落ちた気分だった。そう。ここは海外。日本では気づかないようなことでも当たり前にやっている人達がたくさんいる。
 これから6ヶ月間、いろんな発想に出会える期待感を胸に今日もパトロールに出発します。

 

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荷揚げ用に馬を借り上げ、乗馬する皆木1尉。
オーバーナイトパトロールを行う皆木1尉、目的地は後ろの山の更に奥。

 

 

バウカウUNMIT軍事連絡要員

皆木1尉

 

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