PKOの現場から

 

 

「ボボナロ24時」

 

 

 こんにちは。マリアナUNMIT軍事連絡要員の川谷です。こちらは雨季も終わり、晴れやかな日が続いています。雨季は連日激しい雨が降るため、路肩が崩れてしまい通行のできない道路が存在しましたが、乾季にはそのいくつかの道路が通行可能になります。長い間誰も訪れなかったような村落にも足を伸ばせるわけです。さて、今回は私の生活、仕事の様子を1日の流れを通じて紹介したいと思います。

 ●AM 03:00~

 にわとりが鳴き始めます。1羽鳴き始めると、共鳴するかのように数羽が鳴き始めるため、なかなか騒がしいものになります。最初の1ヶ月はひどく悩まされましたが、今では慣れて全く気にならなくなりました。

 

朝もやの中、活動を始めるにわとりたち

 

●AM 05:00~

 近所の若者が大音量で音楽を鳴らし始めます。ボボナロでは6時半あたりになると電気の供給がストップするため、最後にできるだけ電気を楽しもうとしているようです。親の敵!と言わんばかりの大音量ですが、今では慣れて子守唄代わりに聞くことができます。

●AM 06:00~

 起床します。身支度、朝食、仕事の準備などをします。室内は電気がなく暗いため、朝食は外で取りますが、朝食中は借家のオーナーの飼い犬ランボー(雄)がつぶらな瞳で私を見つめます。

 

日本の魚肉ソーセージが欲しいワン(たぶん)

 

 車両の運行前点検などを済ませ、パトロール前の打ち合わせを行います。

 長距離にわたるパトロールを行う場合は、特に念入りな点検、打ち合わせをします。 パトロールは基本的に車両2両を1組として行います。もし1両にトラブルが起きても、もう1両でカバーできるようにするためです。パトロール中には、いろいろな発見もあります。

 

ボボナロは高地が多く、雲が近い。
雲の中を走ることもあります。
パンクすることもあります。
日本では最近見かけなくなったパンク修理屋

 

 また、雨季の間訪れることができなかった村落では、外部の人間が珍しいのか、人がたくさん集まります。

 

治安状況などの聞き取りの様子
珍しい訪問者にやや緊張気味の子供たち

 

 東ティモールには、「タイス」という伝統的な織物がありますが、パトロール中に偶然、その作成現場を見かけることもできました。思わず見とれてしまいます。

 そして嬉しいことに、日本語を少し話せる方にもしばしば出会うことがあります。久しぶりに口に出してみると、「おはようございます。」「ありがとうございます。」などという日本語の響きはとても美しいと感じます。

 

タイスの作成現場、鮮やかな手さばきに惚れ惚れ
日本語を少し話せるご隠居と

 

●PM 02:00~

 パトロールする地域によって時間は前後しますが、だいたいこのぐらいの時間にオフィスに戻ります。ここからはパトロールの結果をまとめてレポートを作成します。最初の頃はかなりの時間を必要としましたが、最近はだいぶ慣れてきました。バナナやトウモロコシなどが道の脇でよく売られており、昼食はパトロールの帰り道で済ますことも多いです。

 

オフィスワークもあります。
パトロール後、バナナで昼食。実においしい。

 

●PM 06:30~

 借家に戻り、夕食の準備をします。夕食は、同じ借家で暮らす同僚と共同で作っています。私の料理のレパートリーは、当初カレーとシチューだけでしたが、今ではスパゲティーが加わり、ローテーションが3日持つようになりました。つまり、ほとんど成長していません。同僚は料理が上手なので、まだ私の出番がないというのが現状です。

 

日本のカレーは気に入ってもらえた様子

 

●PM 08:30~

 シャワーを浴びます。お湯のシャワーはないので、水を浴びます。最近、乾季になって、朝夕はめっきり涼しくなってきたため、浴びる前に十分に気合を入れないと風邪を引いてしまいます。

●PM 09:00~

 語学など、自学研鑽をして過ごします。

 

電気が来ない日は、懐中電灯で過ごす。

 

●PM 11:00~

 就寝します。

(翌日)

●AM 03:00~

 再びにわとりが(以下略)

 

 ともあれ、東ティモールでの仕事ももう3ヶ月になり、折り返し地点を越えました。初心を忘れず、改めて気を引き締め、日々の任務に取り組んでいきます。

 

明日も笑って過ごせるように。

 

 

マリアナUNMIT軍事連絡要員

川谷1尉

 

(c) Embassy of Japan in Timor-Leste  Avenida de Portugal, Pantai Kelapa, Dili, Timor-Leste (P.O. Box 175) Tel: +670-3323131 Fax: +670-3323130