(日本NGO連携無償資金協力)シェア=国際保健市民の会による船舶譲渡式典

令和4年4月25日
集合写真
船舶譲渡合意書に署名した保健大臣とシェア現地事業代表 譲渡合意書に署名した保健大臣とシェア現地事業代表
今後船舶の維持管理を行っていく船頭ら
 4月25日、シェア=国際保健市民の会が当国保健省にアタウロ県での保健活動に使用される船舶を引き渡すための署名式が行われました。署名には杵渕大使が立ち会い、式典には、保健省大臣、ディリ県及びアタウロ県保健局関係者、ディリ県及びアタウロ県関係者、アタウロ集落長、その他約40名が参加しました。
 シェアは2019年より3年間、保健サービスへのアクセスが整備されていないアタウロ島及びメティナロ郡を対象に、保健アクセスの向上を目的とした「住民参加によるプライマリヘルスケア強化事業」を3年間行ってきました。この事業では、メティナロ郡にヘルスポストが一棟建設され、アタウロ島には船舶が導入されました。
 船舶が導入されたことにより、首都のディリからアタウロ島まで、基礎的な免疫獲得のためのワクチンや基礎医薬品の運搬、及び移動診療の実施が可能となり、事業開始前は予防接種率が46%だったのに対して、事業後は77%まで向上しました。
 事業では船舶供与だけではなく、船頭たちに対する船舶維持管理研修が実施され、船舶管理マニュアルも作成されました。これにより、日常的な維持管理による持続的な船舶の使用が可能になり、アタウロ島民約1万2000人の保健サービスへのアクセス改善が見込まれています。
スピーチをする杵渕大使
 式典にて大使は、「この船舶が、ガイドラインに従った整備による管理の下、アタウロ島の人々の保健、特に予防接種に大きく左右される子供たちの健康に寄与することを切に願う。」と、持続的な船の管理による島民の健康への寄与について希望を述べました。続けて大使は、東ティモールの独立回復及び日・東ティモール外交関係樹立20周年に祝意を表しながら、「日本大使として、日本は今後も二国間の友好な関係のために尽力し、東ティモール国家のため、そして東ティモール国民の福祉のため、支援を継続していく所存である。」と、締めくくりました。