無償資金協力
「第二次ベモス-ディリ給水施設緊急改修計画」に関する起工式について
1. 6月30日(木)(現地時間同日)、東ティモールの首都ディリから車で約1時間(ディリ南方約9.3㎞)のベモス川上流(取水堰)において、防災・災害復興無償資金協力 「第二次ベモス-ディリ給水施設緊急改修計画」(供与限度額約2.72億円)の起工式が行われました。起工式には、日本側から北原巖男駐東ティモール大使、髙田JICA東ティモール事務所長等が、東ティモール側からグテレス副首相、ペドロ・ライ・イン フラ大臣、ペレイラ電力・水利・都市化担当国務長官、ハンジャム財務副大臣、また、ディリ県及びアイレウ県の代表者、警察関係者及び工事関係者も参加し、盛大な式典となりました。
2. この事業は2004年及び2005年の大洪水によって多大な損傷を受けたベモス浄水場の取水堰、導水管(総延長7㎞)及び配水池等の緊急改修を行うもので、2010年1月に「第一次ベモス-ディリ給水施設緊急改修計画」(供与限度額約6.94億円)が開始されました。今回の式典は、約1年半かけて完成した取水口施設にて執り行われました。北原大使は、スピーチの中で「本改修計画の実施においては様々な試練があったものの、関係者及び地域の皆さんの力の結束によりそれらの試練を乗り越え、本日を迎えることができました。」、「本日、この施設を東ティモールの人々へ引き渡すことについて大変喜ばしく思います。」と述べました。
3. 現在、日本は給水施設の更なる整備及びディリ市民の「いのちの水」を安定的に確保するために「第二次ベモス-ディリ給水施設緊急改修計画」の実施を開始しました。北原大使は、スピーチの中で「この事業は、ディリ市民の目にはほとんど見えない場所で 行われていますが、日本はディリ市民の『いのちの水』を確保するために、この改修 事業をしっかりと実施していきます」と日本の強い決意を改めて表明しました。また、 北原大使は3月に起きた東日本大震災に際し東ティモール国民により差しのべられた温かい支援及び友情に対して、謝意を述べるとともに「日本はかかる強い結束と友情をいつまでも忘れません」と強調しました。
4. 日本は、2003年から2007年の間に、ディリ市内の2カ所に浄水場を新設し、2カ所の浄水場を緊急改修しました。また、2008年以降は浄水場に係る人材育成事業も行ってきました。これにより、現在4カ所の浄水場からは消毒された清潔な水が、ディリ市民の3分の1に行き渡っています。安全な水の確保は東ティモールにおいて喫緊課題の一つです。我が国は、東ティモールと協同しながらこの事業を実施していき、当国の国造りに更に貢献したいと思っています。
5. また、本式典ではグテレス副首相がスピーチを行っている最中に大きな蛇が突然祝福に現れるという出来事がありました。東ティモールで蛇は「神聖な土地の主」として崇められており、幸運の象徴として見なされています。かかる出来事は式典の雰囲気に色を添えるとともに、本事業は「神聖な土地の主」が見守る中、これからも東ティモールの人々に命の水を供給するため実施されていくというメッセージを関係者に伝えました。
(了)
グテレス副首相
北原大使 ライ・インフラ大臣
起工式の様子
祝福に現れた 「神聖な土地の主」
除幕式
起工式セレモニー 取水口施設の視察
取水口
取水堰
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