平成21年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件
「オエクシ県パンテマカサール準県における灌漑用水路拡張計画」の竣工式
1. 6月10日、平成21年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「オエクシ県パンテマカサール準県における灌漑用水路拡張計画」の竣工式が北原大使はじめオエクシ県代表等関係者出席の下、オエクシ県庁において行われました。日本政府は、当国のNGOであるデノレ財団を通じて、この事業に対し総額90,002米ドルを供与しました。
2. オエクシ県はティモール島のインドネシア領西ティモールに飛び地であり、経済社会インフラ整備が当国本土に比べ遅れており、東ティモールの中でも貧困レベルの高い地域です。当県の住民にとって稲作が唯一の収入手段ですが、本案件プロジェクトの支援対象地域であるクンハ村では一期作のみであるため、収穫量は平均0.5トン/ヘクタールと全国平均に比べてかなり低い状況でした。今回のプロジェクトによって、灌漑水路が1キロ拡張され、合計約370ヘクタールの水田への農業用水の安定供給が可能になり、この結果、2期作が可能となり、平均1.5トン/ヘクタールの収穫量が得られるようになりました。今後、農民の所得向上及び生活環境の改善、さらには児童の就学率の向上にも寄与することが期待されます。
3. 本案件プロジェクトでは灌漑施設の拡張工事を行ったのみならず、地域の農民に対し、灌漑施設の維持管理、農器具の管理、稲の管理等の技術指導も行いました。北原大使は挨拶の中で「この灌漑水路はクンハ村民の皆様のものです。愛情を持って維持管理に努めてください。」と呼びかけました。
4. 当国の国家優先課題に「農業及び食糧安全保障」が挙げられており、農村人口が8割を占める東ティモールにとって農業セクターの開発は、国の発展に極めて重要です。当館は今後も農業分野に支援を継続していきます。
(了)
灌漑施設視察。灌漑施設の脇には、日本国民の支援で作られた旨の記念碑があります。
完成した灌漑施設。
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