対東ティモール支援

 

 

「アイレウ県における浄水供給システム建設計画」

に関する竣工式について

平成21年11月10日

 

 東ティモールの現地NGOベルン(Belun)が、2008年から日本政府の支援を受けてアイレウ県で建設を行ってきた水供給システムがこのほど完成し、11月10日、アイレウ県リウライ村にて記念式典が催されました。この事業は、アイレウ県の2地域(アイレウ準県リウライ村及びレメシオ準県ファドボロコ村)に住む住民グループとNGOベルンらが協同して、貯水槽・タンク・蛇口・パイプの設置等、水供給システムの建設を行うものです。

 当日の式典には、北原巖男駐東ティモール大使を始め、マトス・アイレウ県知事、ナハック・水衛生局長、シメネス・ベルン代表らが出席し、地元の住民や子どもたちから大きな歓迎を受けました。

 

 本案件が実施されたアイレウ県リウライ村は、首都ディリから車で1時間程のところに位置するアイレウ県の幹線道路から、車でさらに1時間半かけて分け入る山奥に位置します。村に到着するまでには、傾斜が45度近くにもなるような急こう配の荒れた山道を幾度も越えなければならず、非常に不便な地域です。文字通り本当にすごいところです。

 このような場所に位置するリウライ村には、これまで水供給システムが存在していませんでした。村の住民は生活用水を得るため約2km離れた川へ水を汲みに行かなければならず、重い労働負担となっていました。水不足から村人は週1回しか水浴びが出来ず、衛生状態の悪化から感染症へ罹患する人々が多くいました。さらに、農業用水の確保が厳しいため、農業生産性も非常に低く留まっていました。このような深刻な事態は、レメシオ準県ファドボロコ村でも同様に起こっていました。

 

 そこで、このような状況を改善するために日本政府はベルンと共同し、「アイレウ県における浄水供給システム建設計画」に対して、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて44,224米ドルをベルンに供与しました。

 

 本事業により、2つの村に水供給システムが建設され、村の住民に清潔な生活用水が安定供給されるようになります。これによって、重い労働負担となっていた水汲みの軽減、感染症への予防と健康状態の改善、農業用水の確保による農業生産性の向上に貢献することが期待されます。

 当日の式典で水供給システムの栓がマトス・アイレウ県知事と北原巖男駐東ティモール大使によって開けられ、衛生的な水が流れると、式典に集まった多くの村の住民は、一斉に笑顔で拍手をしていました。また式典の中で、住民の代表に維持管理に必要な工具等がプレゼントされました。これからは村の住民たち自身がこの水供給システムを大切に維持していくことでしょう。

 

 水供給システムの構築等、インフラ整備は当国に対する日本の支援の重点分野の1つに挙げられており、また2010年の当国政府の国家優先課題にも「道路と水」が挙げられています。新たな国づくりに向け着実に発展を進める東ティモールのインフラがさらにより良いものになるよう、当館は今後も草の根レベルの支援を続けていきます。

 

 

①村の子ども達が行った歓迎の踊り

 

②地元の子どもから歓迎を受ける北原大使(中央)

 

 

③式典を見守る地元の住民たち

 

④水供給システムのテープカットを行う北原大使(左)

及びマトス・アイレウ県知事(右)

 

⑤日本の支援により完成した水供給システム。

蛇口が2つあります(中央下)

 

(了)

 

 

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