バウカウ県ブコリ村における農村再構築支援
1.12月14日,ディリの農業省において,日本の独立行政法人国際農林水産業研究センター(JIRCAS)と東ティモール農業省の共催により,「農村再構築支援のための研究調査」発表会が開催されました。JIRCASと東ティモール農業省は,2008年から3年間にわたり,バウカウ県ブコリ村で農村再構築支援を行ってきており,その総まとめの研究調査発表会となります。
2.この発表会には,我が国から北原巖男日本国大使,飯山賢治JIRCAS理事長,榎本宏JICA東ティモール事務所長,東ティモール側からマリアノ・アサナミ・サビノ農業大臣,マルコス・ダ・クルス農業担当国務長官が出席しました。この研究調査に協力したドナー側からは,国連世界食糧計画(WFP),GTZ(ドイツ政府の開発援助機関),東ティモールのNGOであるハブラス財団の代表がそれぞれ出席しました。さらに,バウカウ県ブコリ村長やブコリ村関係者も多数参加しました。
3.この発表会の中で,研究調査プロジェクトの成果が発表され,その成果を取りまとめ,かつ今後の農業再構築活動の指針となるように編集された「農村再構築支援のためのガイドライン」(英語版及びテトゥン語版)が,飯山JIRCAS理事長からサビノ農業大臣に手交されました。
4.「農村再構築支援のための研究調査」は,2008年から,JIRCASと東ティモール農業省が中心となり,各ドナーの協力を得ながら,バウカウ県ブコリ村で行われてきたプロジェクトです。主に,(1)集落開発計画の策定を通じた集落住民のエンパワーメント(ハブラス財団と共同で推進),(2)集落開発計画に基づいた農業基盤の整備(灌漑水路の改修)(WFPと共同で推進),(3)整備後の農業基盤を活用した営農技術の改善(GTZと共同で推進),という3つのプロジェクトから構成されています。重要な点は,それぞれの活動を進める上で,ブコリ村村長,集落長および住民と合意を形成しつつ,常に住民の主体性を尊重しながらなされてきた点です。
5.この度,農業省に手交された「農村再構築支援のためのガイドライン」は,農業再構築が喫緊の課題である東ティモールにおいて,今後,バウカウ県ブコリ村だけでなく,各県に配置されている上級農業普及員,各郡に配置されている普及員コーディネーター,そして各村に配置されている農業普及員が各地域で,それぞれ農村再構築に向けて活動していく上で,極めて有効かつ時宜にかなった貴重な指針と言えます。上級農業普及員,普及員コーディネーター,農業普及員の,同ガイドラインを積極的に活用した頑張りを期待します。
●飯山JIRCAS理事長からサビノ農業大臣に「農村再構築支援のためのガイドライン」を手交しました。
●ブコリ村長(中央の白黒横縞シャツの方)を中心として,左に北原大使,飯山JIRCAS理事長。右にサビノ農業大臣,集落長,クルス農業担当国務長官。
皆さんの笑顔がこぼれます。
(c) Embassy of Japan in Timor-Leste Avenida de Portugal, Pantai Kelapa, Dili, Timor-Leste (P.O. Box 175) Tel: +670-3323131 Fax: +670-3323130