2010年7月23日
7月17日、コバリマ県ズマライにて「モラ橋梁建設」の起工式が行われました。
「戦略開発計画」(SDP)に係る住民説明のため地方行脚中のグスマン首相も駆けつけ着工を祝い、工事の安全を祈りました。
同式には、グスマン首相のほか、ライ・インフラ大臣、カエイロ公共事業担当国務長官、リマ環境担当国務長官、国会議員、ピレス・コバリマ県知事、フレイタス・ズマライ準県知事、警察関係者、地域住民等多くの皆さんが参加、日本側からは北原大使夫妻、榎本JICA所長、施工を担当する西條大日本土木株式会社取締役・海外支店長、川井日本工営株式会社参事はじめ社員の皆さんが出席しました。
モラ橋は首都ディリの南約146キロの場所に位置する、ディリと南部都市スアイ間を結ぶ幹線道路に架かる大きな橋であり、商業活動や地方の人々の移動にとって大変重要な橋です。
現在のモラ橋は1996年のインドネシア時代に建設されましたが、2000年の洪水により、中洲を挟んで2つある橋のうちスアイ側の橋が倒壊してしまいました。地域住民は乾期にしか川を渡ることが出来ず、また農作物等の輸送にも困難を生じており当該地域の住民生活、商業活動等に大きな支障をきたしています。
このような状況を改善するため、日本政府は新たなモラ橋梁建設への支援を決め、9,380,000米ドルを供与することとしています。全長216メートル、2車線の鋼鉄製トラス橋です。
これにより、地域住民の生活環境の向上、ディリ=スアイ間の交通の利便性は格段に高まり、スアイを含む南部地域と首都ディリ間の人の移動及び農産品等の輸送量が増加し、地方経済の活性化が期待されます。
グスマン首相は挨拶の中で、日本国民に対する感謝を表明すると共に、北原大使が工事着工の遅れを謝罪する挨拶をしたことに触れ、「同橋は日本国民の心と東ティモール国民の心を結ぶ橋ともなるものだ。遅れを謝罪する必要は無い。我々は独立回復までに24年待ったのだから。モラ橋は、自分たちのための橋である。工事に対する皆んなの協力を求める」と語りました。
当国は、2010年の国家優先課題のうち、最優先課題として「道路と水」を挙げています。基礎インフラの整備はまさにこの国の人々の命に関わるものであり、モラ橋の完成が待たれます。
村人の歓迎
出席したグスマン首相と北原大使
あいさつするグスマン首相
セメントを入れていよいよ工事着工
着工式を終えた日本側関係者
モラ川
モラ橋完成予想図
(了)
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