工事現場はこの上流 | 渡河 | 擁壁と十字ブロック |
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操縦は東ティモール人 | 取水堰 | 取水堰 |
「前へ」
「大雨によって簡単に崩れやすい土地での改修計画は、決して容易なものではありません。」「この事業は、ディリ市民の目にはほとんど見えない場所で行われていますが、日本は、ディリ市民の「いのちの水」を確保するために、この改修事業をしっかりと行う決意です。」
これは、昨年行われた日本のODA「べモス-ディリ給水施設緊急改修計画」の起工式における私の挨拶です。
あれから約5ヶ月。
山間部での工事は、異常気象により間断なき大雨による急激増水の破壊力との不屈の闘いの連続です。「前へ」
工事現場へ行くアクセス道路は、ドーザーでならした河原を通るしかありません。 その道路は大雨によって増水する都度あとかたもなく破壊され、川の流れが全く変ってしまいます。予め川の流れの変化を読むことは不可能です。
現場までの渡河は当たり前。私達の車のナンバープレートは、強い水流に引きちぎられ跡形も無くなりました。
予想を上回る急激な増水によって建設した構造物が土砂に埋没することもしばしば。しかも狭い地形上、掘り起こしは人海戦術に依らざるを得ません。大変な苦労です。
しかし、工事に取組んでいるおよそ260名の日本人、フィリピン人そして東ティモール人、皆さんの顔はいづれもとても逞しく明かるいのです。
誰一人として「雨だから撤退しよう」と言う人はいないとのこと。
もちろん工事は、「安全第一!」「Safty First!」が皆さんの合い言葉です。
「いろいろ試練はあります。時に足踏みもします。しかし、確実に前進しています。」
工事責任者は、力強く語っています。
「前へ」
日本では、最近とみに若い皆さんの内向き志向が指摘されています。次代を担う皆さんには、是非積極的に外に目を向けられ、外に出ていただき、日々大きく変化する世界や日本を取巻く情勢そして日本を身を以って感じていただきたいと思います。決してデフレスパイラルに陥ることのない御自身を創って行っていただきたいと思います。
そうした皆さん一人一人の積み重さねが、真に強く生き生きとしたこの国を創って行くような気がしてなりません。
そんな若い皆さんに、東ティモールから贈ります。
「前へ」
2011年1月10日
在東ティモール日本国大使
北原 巖男
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