みなさま、バウカウより栗田です。
バウカウ入りしてから3週間が経ちました。
こちらは標高が約500mということもあり、ディリより涼しく感じます。おそらく、1日を通じて気温は20℃台ではないかと思われます。ちょうど日本の5月のような、和やかで穏やかな気候です。常夏の国、とイメージしていましたが、常「春」の国という表現がこちらはぴったりかもしれません。
上空よりバウカウ市内 バウカウ市内から海を臨む
さて、いよいよ任地バウカウにおいて軍事連絡要員としての活動が始まりました。
任務は、担任区域を日産「パトロール」でパトロールし、村、地方自治体、警察等の施設を訪問してインタビューにより情報収集し、その内容をレポートにまとめ本部に報告するというものです。バウカウチームは最も広い担任地域を持っているため、時には往復200km以上の距離をパトロールします。
日産「パトロール」(車名)、頼りになります!
この任務には、(英語というハードルを除いて)2つのチャレンジがあります。
1つ目は、運転です。
女性だから?という訳ではなくこれは全ての軍事連絡要員が苦労している点です。
道路は時にでこぼこだったり、路肩が崩れていたり、動物が縦横無尽に横断したり、ものすごい人数を乗せた車を追い越さなければならなかったり…とてもエキサイティングです。生きているな~、という感じがします。
大雨で路肩が崩れた道路(写真中央は車両無線機のアンテナ) この乗り方、男性の強さの表現かも?
主要幹線道路でも、橋が壊れて渡河を余儀なくされる場所があります。
大雨で増水して、多くの人が立ち往生しています。
私が運転していると、とても注目されるのがわかります。
しかし、made in Japanをなめてもらっては困る!「ニッサン」はちゃんと渡れるのです。
よーい… どん! がんばれ~~!!(と祈るような気持ち)
2つ目のチャレンジは、インタビューです。
インタビュー先では、初めて出会う人々から必要な情報を聞き出します。
初対面の相手でもひるんではいられません。「すれ違ったらもう友達(コレガ)」(?)だというティモール人になったつもりで、ある意味開き直ってインタビューします。
通訳の支援と機転に助けられてなんとかやりくり どこの村に行っても、村長さんからは「徳」を感じます。
まずは相手の立場をよく知ること。事前に予習して、インタビューの対象者の状況を確認して、それから予想を立てて質問していきます。
人と人のやりとり、対応によっては情報量も質も変わってくるため、真心をもって臨んで行きたいと考えています。
最近、でこぼこの道路を運転中、同僚に「大丈夫か?(Are you OK?)」と声をかけられました。
とっさに口から出たのが「もちろん!ミリタリーの女性は、何でも楽しめるのよ!(Sure! Military lady can enjoy everything!」)。今後は、これをスローガンにしていこうと思います。
「軍事連絡要員(Military Liaison Officer)」のMLOと、「ミリタリーの女性将校(Military Lady Officer)※勝手に造った言葉です」のMLOをかけ合わせて、2倍!!になるかは定かではありませんが、より充実した勤務をしていきたいと思っています。
言葉がわからなくても、笑顔や温もりは共通。
これからも、子供たちの笑顔が続く、穏やかで素敵な国であることを祈っています。
バウカウUNMIT軍事連絡要員
栗田3佐
(c) Embassy of Japan in Timor-Leste Avenida de Portugal, Pantai Kelapa, Dili, Timor-Leste (P.O. Box 175) Tel: +670-3323131 Fax: +670-3323130