PKOの現場から

 


「第2次要員、東ティモールに到着」

 

 

皆さん、初めまして。第2次東ティモール国際平和協力隊の栗田3佐と川谷1尉です。我々2名は3月23日、ディリに到着しました。

 

到着直前、飛行機の中から外を見ながら、「とうとう来てしまった!」といささか緊張していました。が、空港、どころかタラップのすぐ脇まで出迎えに来てくださった
中嶋臨時代理大使と1次要員2名他の歓迎を受け、当地に降り立つ瞬間には思わず安堵の笑みが出ていました。

 

温かい歓迎に、思わず笑顔に

 


この国の第一印象は、「なんて素朴なんだ」です。


色々なことが自然のまま、あるがままみたいに見えます。植物も動物も人間も。
  昼には活気があって、夜には静寂が訪れる。そんな当たり前のことが、とても新鮮で、とても豊かなことだと感じます。
そして、電気がなくても、多少道がガタガタしていても、この国の人々には笑顔があります。初めて会った日本人の私たちにも、とびきりの笑顔で挨拶してくれます。
それがとてもとてもまぶしくて、照れくさくて、最初は少し戸惑いました。

 

笑顔があれば未来は明るい。 この国がどんどん好きになりそうな予感がしています。

 

ディリ空港。とても素朴。

何もかも珍しくて、つい街角で1枚。商店の様子。


 

さて、首都ディリの国連東ティモール統合ミッション本部においては、国連職員として活動するためのチェックイン手続きと、導入教育を受けます。

我々は講義の日程の関係上、やや長くなり1週間強にわたって本部でウォーミングアップすることができました。

 

印象的なのは、国連の活動は多国籍だけあって、何かと組織的で効率的だということです。

事務手続きや物品の管理など活動の基礎となる事項から、教育や日々の業務要領など自衛隊的に言うと「作戦」に当たる部分まで、大変わかりやすくなっています。

例えば、導入教育においてもその特長は表れていました。導入教育には、講義(座学)によるものと自習形式のものがあります。

自習形式のものは、UNMITのイントラネット内のオンラインで学習します。読み進めていくと知識が得られるだけでなく、途中で小テストが織り込まれているため、知識の定着と理解度の判定に有効です。

しかも、それぞれのテストでは一定の点数をクリアできないと先にすすめない仕組みになっていて、最終テストを終えて初めて「証明書」が印刷でき修了とみなされます。

 

我々2名は、なんとか必修の科目を終えるとともに、「初期の一番の難関」(?)と言われる車両操縦ライセンスを一発で(!)取得することができました。


チェックイン手続き。書類記入中。
手続き中も各所で日本の震災について心配されます。

 

 

今回は2次要員ということと、1次と同じ地域で活動するということで、業務のバトンタッチはスムーズに行われました。

そして豊富な資料と綿密な申し送りに、1次要員の「マメさ」を感じました!(そして2次要員は任地へ移動後、また改めて1次要員の活躍と信頼の厚さをチームメイトから知らされることになります)

 

「ボボナロの達人」関根3佐、そして「バウカウの若き副チームリーダー」建部1尉、本当にお疲れさまでした。そして、熱のこめられた引き継ぎ、ありがとうございました。


バウカウでの活動について教えられる。
帰国の見送り。「後は任せて!」(右は前任者の建部1尉)


 

  そして導入教育では、ディリチームに教わることも多くありました。

我々はバウカウとボボナロの各チームに所属していますが、ディリにもチームがあります。1日かけて、パトロールに同行してインタビューの研修をしました。

 

新鮮だったのは、ディリから少し離れるだけで、また違う世界が広がることでした。ディリは海岸に近く平坦であるのに対し、少し山のほうに入れば結構な急斜面が待っていました。

(1時間ほどで800m以上の標高差)そして、そのアクセスの制限から来訪者が珍しいからか、

車両で通過する際にも、多くの人々が手をふったり、笑ったり(それがまたいい笑顔なのです)、声をかけたりしてくれました。

 

国連の活動は、この国に浸透していて歓迎されていることを肌で感じた1日でもありました。


ニュージーランド軍将校から機材の操作方法を教わる。
インタビュー研修。ディリから2時間弱の村にて。

 

 

我々2名は、この後それぞれの任地に移動し、それぞれ日本人1人という環境で活動を開始しています。

 

栗田3佐は京都市出身、派遣の前には千葉県の柏で高射中隊長をしていました(合言葉は「柏魂」)。

PKO参加は初めてですが、海外はこれで15ヶ国目。英語はまだまだ怪しいながらも、たくましく「サバイバル」していきたいと思います。自然に(時には図々しさも大切)、前向きに!!

 

川谷1尉は長崎県壱岐市出身(ボボナロの風景はのどかで、生まれ育った景色に似ている?!)。派遣前には神奈川県久里浜の通信学校で教官でした。

同じくPKO初参加。そして、UNMITの軍事連絡チーム34名中最年少若手将校として、「爽やかに」、頑張っていきます!

 

我々の活動報告に、乞うご期待!皆様どうかご声援のほど、よろしくお願いします!!

 

村の小学校にて。カメラが珍しくて、ちょっと遠巻き。 恥ずかしそうだけど、『外国人』に興味津々。

 

(最後に)

 

出国前から、本当にたくさんの方々からご指導ご協力を頂きました。

そして今この瞬間も、たくさんの方々に支えられて活動が 成り立っていることを覚え、2名とも日々精進したいと思っています。

 

 

第2次東ティモール国際平和協力隊長

栗田3佐

 

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